安全・安心で持続可能な高度福祉社会の実現を支援する、メカトロニクス・ロボティクス技術の研究開発と技術者の育成を行うコースです．ＱＯＬ（Quality of Life）向上を目的としたメカトロニクス，ロボット工学，サイバネティクスなどを基礎として，福祉マインドを持った工学技術について学びます。

福祉メカトロニクスコースとは

　福祉メカトロニクスコースでは，高度福祉社会の実現を支援する能力を持つ技術者を育成するため，先端のメカトロニクス，ロボティックス，サイバネティックス分野に関する教育を行います。学生は，理学系基礎，数理モデル構築力及び高度シミュレーション技術を修得する共に，機械工学，電気工学に関する分野を学びます。これらを基盤としてメカトロニクス・ロボティクス・サイバネティクス分野に関する知見を学びます。

※サイバネティクス：メカトロニクスシステム（機械／電子システム）と生体システムを統一的にモデル化し，これをICCT（情報通信制御技術）で計測，解析，制御することを目的とした学問領域

　具体的には，工業に応用するための数学や物理学の基礎，機械工学（機械力学，材料力学，設計工学など），電気電子工学（電磁気学，電気回路，電子回路，パワーエレクトロニクスなど），情報通信技術（プログラミングなど）の基礎的工学分野をバランス良く習得し，生体の運動や機構を学ぶ生体工学分野（スポーツ工学，リハビリテーション工学など），データの計測や機器の制御のための計測制御分野（メカトロニクス，ロボット工学，制御工学など），マルチフィジクス解析（複数の物理現象が組み合わされた複雑なシステムの解析）を応用して，現実の問題に対応できる技術者・研究者を育成します。

　教員の研究分野としては，マルチフィジクス解析分野（複合システム解析，線形システム，非線形システム），機械工学系分野（材料力学，機器設計工学，熱・流体工学，機構力学），電気電子工学系分野（電磁気学，電気回路，電子回路，電気機器，電力システム工学，パワーエレクトロニクス），生体工学系分野（生体情報工学，スポーツ工学，バイオメカニズム，生体運動計測法，身体運動機能学，リハビリテーション工学），計測制御分野（計測工学，メカトロニクス，制御工学，ロボット工学，システム信号処理）などがあげられます。

アドミッションポリシー（入学者受入れの方針）

※理工学部のアドミッションポリシーに加え、下記のポリシーに該当する学生を求めています。

メカトロニクスシステム（機械／電気系）と生体系，及びそれらの複合系に関する専門知識を身につけ福祉社会の発展に貢献したいという意志をもっている人

※参考：理工学部のアドミッションポリシー

1. 基本理念

　質の高い特色ある研究を通じて，世界に通用する科学技術を創造し，もって地域に貢献すると共に，豊かな創造性，社会性及び人間性を備えた人材を養成することです。

2. 教育の目標

　自ら課題を探求する高い学習意欲と柔軟な思考力を有し，国際基準を満たすゆるぎない基礎学力と高度の専門知識を備えると共に，豊かな人間性と高い倫理観を有する人材を養成することです。

　特に，創生工学科では，「工学の専門性を究めつつ理学の素養を併せ持つ人材」を，共創理工学科では，「理学の専門性を究めつつ工学の素養を併せ持つ人材」をそれぞれ養成します。

3. 求める学生像

　環境や社会に対する影響も予見しながら，自然との共生や，真に人類に役立つ技術とは何かを自ら考え，理学及び工学分野の先進的科学技術によって人類福祉に貢献する意欲をもち，将来への可能性を秘めている人を求めています。

　以上の観点と本学の求める学生像から，具体的には，次のような人を求めています。

• 理学及び工学の基礎をなす数学や理科等の基礎学力を備え，広範囲な事象に対して強い知的好奇心をもっている人
• 理学及び工学分野の新しい課題を自ら見いだす着想力をもち，この課題に立ち向かう強い意志とねばり強さをもっている人
• 豊かな感性と表現力をもち，自立的に考えながらも他人と協力・共同して物事を実行していく姿勢をもっている人
• 技術者，研究者，教育者として，国際舞台でリーダーシップと行動力を発揮することに強い意志をもっている人

ディプロマポリシー（学位授与の方針）

福祉メカトロニクスコースでは，以下の資質や能力を身につけ，所定の授業科目を履修して卒業に必要な単位を修得した学生に，学士（工学）の学位を授与します。

• 語学力を含めた幅広い教養を持ち，倫理観を持って社会の発展に貢献できる。
• 数学・物理学・電気工学・機械工学の基礎知識と，その統合技術としての計測工学・制御工学・情報システム工学・福祉工学などを含むメカトロクス技術の専門知識を体系的に身につけている。
• 学ぶべき内容を把握し，自ら目標を立て，継続的に学習できる。
• 複合的な課題に対して問題点を見つけ出し，論理的で柔軟な思考により，解決することができる。
• 自分の意見を論理的に説明できるコミュニケーション能力と，他者と協調・協働して計画的に問題解決が行える行動力を持っている。
• 福祉社会の実現に自らの知識を役立てるという，技術者，研究者としての責任と使命を理解している。

就職先の例

メカトロニクス技術は，今日の産業・社会生活を広く支える中核技術となっています。そのため，卒業生の間口は広く，一般的な製造業，各種機器メーカーはもとより，建設業，化学工業，運輸，通信，食品，健康，福祉，金融，行政，農林水産業など様々な分野でも活躍が期待できます。

実績（旧福祉環境工学科メカトロニクスコースのものを含む）

（県外）三菱電機，スズキ，ミツミ電機，京セラ，安川電機，NTN，THK，日本製鋼所，東芝メディカル，三井化学，西部電気工業，昭和電工，九電工，旭化成EICソリューションズ，三菱コントロールソフトウェア，ナブテスコ，有薗製作所他

（県内）川澄化学工業，エスティーケイテクノロジー，大分キャノン，大分キャノンマテリアル，デンケン，豊洋精工，柳井電機工業他

（その他）公務員，教員等